【会津短大に出前授業】浜通り・中通り・会津が連携！大学生との真剣トークで「バイオマスプラスチック」の現実と未来を探る

2025-11-28

2025年11月13日、私たち福島三洋プラスチック工業（株）（サンプラ）は、会津短期大学からのご依頼を受け、バイオマスプラスチックに関する特別講義を実施しました。

特筆すべきは、この講義が福島県内の3社、古川プラスチック（会津）、トラスト企画（株）（浜通り）、サンプラ（中通り）による、地域と役割を超えた共同授業として実現したことです。

このユニークな「出前授業」の裏側と、未来を担う大学生たちから投げかけられた、正直で鋭い意見についてレポートします。（担当：営業部丸本、総務部穴沢）

1. なぜ「ものづくり企業3社」が大学の教壇に立ったのか？

今回の講義依頼は、元々「べこぷら」の製造元である古川プラスチックの古川社長宛に、バイオマスプラスチックに関しての講演として舞い込みました。

相談を受けた当社営業部の丸本は、「バイオマスプラスチックは、製造だけでなく、素材、企画、販売まで一連の流れを知ることで、より深く理解してもらえる」と考えました。

そこで、バイオマスプラスチックの素材製造を行う、いわき市のトラスト企画（株）の椎名社長にコンタクトを取ったところ、距離的なメリットが少ないにもかかわらず、快くご快諾いただき、この三社共同の出前授業が実現しました。

製品化にたどり着くまでの企業が一丸となり一つの講義を行うという取り組みは、ビジネスの現場でも珍しく、福島三地域が協力したことに大きな意義を感じています。

講義内容については少し悩みましたが、これまでの「こおりやま産業博」や「REIFふくしま」など、展示会で培ってきた説明や知見をそのまま講義に落とし込みました。この積極的な展示会参加の経験が、今回の授業で大いに役立ちました。

当日は、各社の担当者がそれぞれの専門分野について熱く語りました。その熱意は時間を超過してしまうほどのハプニングを生みましたが、それはまた「良いハプニング」だったと捉えています。

講義後、大学生たちからは、展示会では聞けないような、非常に現実的な意見やアイデアが飛び交いました。

トラスト企画さんの講義後には、素材の根幹に迫る質問が多く寄せられました。

彼らの質問は、バイオマスプラスチックが社会に浸透していく上で、技術的な側面よりも、経済的・社会的な側面が大きな壁となっている現実を浮き彫りにしました。

サンプラの講義後には、より販売側の目線に立った質問や提案が多く出ました。

中でも、最も印象深く、私たちの危機感を刺激したのは、「環境を気にして高価なのであれば、通常のプラスチックで安価な物が欲しい」という、大学生の正直で辛辣な意見でした。

先生とも話しましたが、地球環境を意識するよりも、自分の生活や経済的な側面が優先されるという現実を改めて突きつけられました。

しかし、この「忖度のない意見」こそ、社会に出ると中々聞けない貴重な声であり、バイオマスプラスチックを単なる「環境に良いもの」ではなく「選ばれる製品」にするための、最大のヒントになると確信しています。

今回の出前授業という交流の場は、ビジネスのヒントになることが多く、結果的に非常に良いマーケティングになりました。

バイオマスプラスチックは、まだ市場においては「途上」であること、そして多くの可能性を秘めた未開拓分野であることを改めて確認できました。

せっかくのご縁ですので、会津短期大学とは、第二回、第三回とテーマを変えて定期的な開催を目指したいと考えています。

また、大学生たちの斬新なアイデアを活かし、コラボレーション商品などが開発できたら非常に面白いと考えています。

今後は、高校生や大学生だけでなく、小学生や中学生の意見も聞いてみたいと展望しています。学校関係者や自治体関係者の皆さま、サンプラはバイオマスプラスチックに関する出前授業も積極的に行っています。ぜひ、お声がけください！

バイオマスプラスチック